福井県では、子ども一人ひとりの個性を尊重し、夢や希望、ふくい愛を育む教育を推進しています。
地域の人々と協働しながら未来を切り拓く「生きる力」を育む学びが、今、県内各地に広がっています。
子どもたちの学力・体力が全国トップクラスの福井県。実は、自己肯定感や学びに向かう力も高い傾向にあります
出典:全国学力・学習状況調査(文部科学省)
子どもたちが自ら幸せを創り出す力を育む「福井県版ポジティブ教育プログラム」は、令和2年度から県内の学校で実践されています。このプログラムは、「ソーシャルスキル教育」「ピア・サポート活動」「レジリエンス教育」の3つを柱とし、子どもたち一人ひとりの強みや良さに着目しながら、自己肯定感を高め、学力や社会性の向上を目指すものです。
「強みは誰もが持っている」と説明する先生
本荘小学校では、令和6年度から学校全体でポジティブ教育に取り組んでいます。 この日、5年生の教室では、レジリエンス教育の一環として「強みチームすごろく」が行われました。すごろくに書かれたさまざまな課題に対し、子どもたちは、自分の強みを仲間のために使ったり、困った時には仲間に助けてもらったりしながら、楽しんでゴールを目指していました。
チームでゴールを目指す子どもたち
同校では、学校行事と結び付けたピア・サポート活動にも積極的に取り組み、友だちの話を丁寧に聴き合うことで、お互いを認め合い、安心して意見を言える雰囲気が広がっています。
林 小百合校長は、「これらの学びを通して、子どもたちが自分を大切にしながら、周りの人とつながる力を育み、これからの時代をたくましく、幸せに歩んでほしい」と話します。
小・中学校で培われる“自分や仲間の価値を認める力”は、高校での学びの土台となり、自分の人生を主体的に描く力へと発展していきます。
県は、高校生が進路を考える際に、将来「ふくいで働き暮らす」ことも視野に入れられるよう、自分の生き方や地域の将来を主体的に考える「ライフデザイン教育」を推進しています。
その取り組みの一つが、令和6年度から県内の高校で開講している「地域デザイン講座」です。この講座を通じ、受講生の8割以上が「福井の将来に希望が持てる」と回答。地域の課題を自分ごととして捉え、仲間と未来を想像する経験が、夢や目標に向かって挑戦する力を育んでいます。
講師を務める藤丸教育長
この日、奥越明成高校で、藤丸伸和教育長による「地域デザイン講座」が行われ、 34名の生徒が参加しました。生徒たちは福井県の魅力や課題、解決策について話し合い、模造紙にまとめて教室に掲示。お互いの意見を見ながら、新たな気付きを得ていました。
続いて、人口減少対策や北陸新幹線開業の効果について説明があり、生徒たちは、2040年の福井県の姿と、同年に30歳になる自分の未来を重ね合わせながら、今すべきことを考えました。
将来の福井県の姿について話し合う生徒たち
参加した生徒からは「福井県の課題について深く考えることができた」「福井県に残りたいという思いが強くなった」といった声が聞かれ、地域に対する関心や視点が広がっている様子がうかがえました。
最後に、藤丸教育長は、「地域の未来と自分の人生はつながっている。 年後の自分を思い描き、やりたいことを通じて地域に貢献する喜びを見いだしてほしい」と力強くメッセージを贈りました。
先生の魅力って、どんなところだろう。
日々、学校の現場で子どもたちと向き合う先生たちが、“先生”という仕事について語り合いました。
増山 先生という仕事のやりがいを感じるのはどんなときですか。
小林 「先生同士が自由に語り合える場をつくりたい。」
高校3年生の担任をしています。3年間クラス替えがなく、保護者のみなさんとも信頼関係を築きながら、生徒の成長を一緒に見守ってきました。進路指導は難しい面もありますが、一人ひとりが頑張ってきた成果が進路につながっていく姿を見ると、誇らしい気持ちになります。
竹川 「子どもたちの笑顔が一番のやりがいです。」
子どもたちが「できた!」と笑顔を見せてくれる瞬間が一番うれしいですね。
音楽の授業で合奏の練習をする際、一人ひとりに合った楽譜を用意するなど、大学で学んだ自分の専門性を支援に生かせているのでやりがいがあります。
木下 「ワークライフバランスも大切にしていきたい。」
子どもたちの成長を実感できた時が何よりうれしいです。授業が分からない生徒に個別に工夫しながら指導を続けて、理解につながったときは「やってよかったな」と思います。中学生は悩みも多い時期で、すぐに答えを出せないこともありますが、それでも寄り添い続けたいと思えるのが、この仕事の魅力です。
島田 「すべての学年を担任したいです。」
今は小学1年生の担任をしています。低学年は子どもたちの様子がめまぐるしく変わります。昨日までできなかったことが突然できるようになったりするんです。そんな成長を目の当たりにする瞬間が多く、驚きと喜びを感じています。
竹永 「個別最適な学びにチャレンジします。」
数学を教えている探究特進科は1クラスだけなので、3年間を通して生徒の成長過程が見えることにやりがいがあります。大学入試が近づくにつれて、3年生の質問のレベルがぐんと上がってきました。蒔いた種が芽生えてうれしく思います
増山 これからチャレンジしたいこと、達成したい目標について教えてください。
木下 教師であると同時に父親でもあるので、できるだけ仕事を効率よく進めて、家族との時間も増やしていきたいですね。当然、生徒たちのために力を尽くすことは変わりません。また、勝山市は中学校の統合も控えています。新たな中学校が子どもたちにとって「楽しいな」と思える場所になるように、自分でもできることをしていきたいです。
竹川 特別支援教育コーディネーターとして、もっと専門性を高めたいと思っています。かつて小学校にいた時は支えてもらう立場でしたが、今は支える側として、周りの経験豊富な先生方からアドバイスをいただきながら、地域の学校の力になれたらうれしいです。
島田 これまで小学3年生や4年生の担任をしてきましたが、初めて1年生を受け持って、新任教師の頃に戻ったような新鮮な気持ちになりました。今後に生かせる新たな気付きもたくさんあって、5年生や6年生の担任にも興味が出てきています。いろいろな学年を経験しながら、小学校の先生としてのスキルを高めていきたいですね。
竹永 「個別最適な学び」の実現を目指したいです。限られた授業時間の中で、クラス全員が達成感を持てるようにするのは簡単ではないですが、だからこそ挑戦しがいがあるなと。自分で学びを進めていく「自走型学習」の可能性も、もっと探っていきたいですね。同時に、受験を控える生徒たちのがんばりが卒業後の進路につながるようにサポートしていきたいです。
小林
自由進度学習※に手応えを感じていて、「個別最適な学び」をもっと深めていきたいですね。それから、今日の座談会のように、先生同士が自由に話せる場ってすごく大事だなと改めて感じました。学校に戻ったら、まず周りの先生方にインタビューをしてみるつもりです。
※子どもが自分のペースで学び、教員は見守りながら必要な支援を行う学び方
児童生徒の学びを深める工夫や働きやすい学校づくりに取り組む個人・グループを表彰します。
教育現場の熱意と創意に注目!
令和6年度表彰式の様子